青松郡(チョンソングン:청송군)は、大韓民国慶尚北道の中東部にある郡です。太白山脈の影響で東南北部が山岳地形で、東に周王山(ジュワンサン:주왕산)(721m)があります。唐辛子とリンゴが主産物です。郡庁所在地は青松邑(チョンソンヌプ:청송읍)で、行政区域は1邑7面です。 (出典 ウィキペディア- http://ko.wikipedia.org/wiki/청송군)
青く澄んだきれいな美しい神仙世界 青松
昔から「神仙が戯れる所」として名高い青松(チョンソン:청송)。四季の美しい周王山(ジュワンサン:주왕산)をはじめ、神秘的な魅力があふれる注山池(ジュサンチ:주산지)とオルムゴル渓谷(얼음골계곡)など山や川、渓谷が素晴らしい風景を誇ります。
地域出身の東洋画家が寄贈した300点余りの作品を展示している質の高い郡立青松野松美術館(クルリプチョンソンヤソンミスルグァン:군립청송야송미술관)があり、ケクジュ(객주)文学テーマタウンと周王山観光地造成事業が推進中にあるなど文化観光の環境改善に努めています。青松の代表特産物である青松蜂蜜りんごは最高の品質とおいしいリンゴとして認められていて、リンゴ祭り、リンゴテーマパークなどを通して青松リンゴのグローバルブランド化を成し遂げています。
また、青松アイスクライミングワールドカップなどの国際大会をはじめ、周王山スンダルレ祭り、青松リンゴ祭りなどを通じて内外に青松を発信していて、天然資源である山を利用した山岳スポーツのメッカとなっています。
天下第一 タルギヤクスト(달기약수터)と達基瀑布(달기폭포)
タルギヤクスト(달기약수터)から満腹感を抱いて山を登れば、近くの青松邑(チョンソンヌプ:청송읍)月外里(ウォルウェリ:월외리)の高さ11m余りの達基瀑布(タルギポッポ:달기폭포)に出会えます。月外瀑布(ウォルウェポッポ:월외폭포)とも呼ばれる達基瀑布、絶壁からまっすぐに落ちる滝水が力強いです。
キムジュヨン 김주영 /小説家(パラダイス文化財団 理事長)
1939年生まれ/青松出身
小説「休眠期」で登壇
怡山文学賞、大山文学賞、東里文学賞 受賞
「ケクジュ」「ファチョク」「漁夫は葦を切らない」「ガンギエイ」
「アラリナンジャン」等執筆
筆者-キムジュヨン
秘境と伝説を一緒に抱き、空がもたらした作品という称賛を受けている国立公園周王山(ジュワンサン:주왕산)。
周王山の入口から天を突き刺すようなどっしりとした岩山の峰が見る人に自ずと感嘆の声をあげさせると、内に秘めた絶景を一つ二つと広げてみせます。
シル峰(シルボン:시루봉)、蓮花峰(ヨンファボン:연화봉)、香炉峰(ヒャンノボン:향로봉)、石女峰(オクニョボン:옥녀봉)など怪岩奇石からなる山峰と勢いよく落ちる滝水を見ながら渓谷に沿って登る登山道は、季節に関係なく多くの人で賑わいます。周王山のどこも目を引き付け人気がありますが、韓国では珍しい薬水湯(ヤクスタン)もまた名所に違いありません。
朝鮮哲宗の時、水路工事をしていた村の人々が岩の隙間から湧き出る水を発見し、一杯飲んでみたところゲップがでて楽になったという疸基薬水湯(タルギヤクスタン:달기약수탕)は、マグネシウムとナトリウム含有のアルカリ性の湧き水です。
最近は下湯、中湯、上湯など約10ヶ所余りで湧き出ます。いくら日照りが続いても水が涸れることなく、水量が一定で冬でも凍ることがありません。
色も香りもありません。味は甘みのない炭酸水と似ていて、胃腸病や神経痛、貧血の症状がある人に効果があるそうです。
疸基薬水(タルギヤクス)とは本来上湯を意味しました。しかし、時間が経つにつれ上湯の成分が弱くなり、下湯が発見された後、人々が下湯を多く利用するようになりました。薬水の名前もまた面白いです。昔、ここの行政区域名だった青松郡(チョンソングン:청송군)府内面(ブネミョン:부내면)タルギ洞(달기동)に由来するともいい、「月が浮かぶ所」という意味があるともいいます。他の解釈もあります。湧き水の穴から水が出て来るとき「クク」と、まるで鶏の鳴き声のようだということで、タルギ(닭의:鶏の)」というものです。
面白い由来を思い浮かべ疸基薬水をおいしく飲んだ後、周辺にずらりと並んだ食堂に立ち寄ってタッペクス(닭백숙)をたらふく食べるのもいいでしょう。
タッペクスは薬水に鶏と高麗人参、黄耆(キバナオウギ)、ナツメ、緑豆などを入れてじっくり煮込んだ鶏粥です。特に漆を入れて煮込んだ漆鶏料理は胃腸病の特効薬だと言われています。
疸基薬水場から満腹感を抱いて山を登ると、近くの青松邑(チョンソンヌプ:청송읍)月外里(ウォンウェリ:원외리)の高さ11m余りの 達基瀑布(タルギポッポ:달기폭포)に出会えます。
周王山のヨンチュ瀑布(第1の滝)が可愛らしい姿で女性的であれば、達基瀑布こそ男性的な躍動性を遺憾なく見せてくれます。滝水が勢いよく落ちて河床から水しぶきが絶えず立ち込めています。
滝水が落ちる河床は、3つの池が連なって出来た楕円形です。丸くえぐられ、その底の深さは見当がつかないほど青く神秘的です。絹糸ひと巻きをすべて解いても底まで届かないという昔話が偽りには聞こえません。渓谷を囲む樹木の下で横たわる岩石の彩りは、周王山のどこにも見られない独特の天然色です。
青い空を自由に行き来する雲の群れを眺めて、からだを向き直し再び山道を登ります。
澄み切った山の空気を深く吸い込んで肺の奥深く積もっていた想念のカスを吐き出します。この渓谷で少しの間だけ世の荒波を忘れて安息を訪ねることだけでもどれだけ有難いことでしょう。
-子供と一緒に旅立つ歴史ツアー-
誉れ高い隠者の土地 青松
権力と名誉を後にして、森林處士(田舎に隠居して読書にふける人)として隠居し学問に尽力した朝鮮時代の方壺亭(バンホジョン:방호정)と青松 沈氏の子孫たち、彼らの生活の基盤が青松です。
方壺亭
방호정
夏の休養地として薪城渓谷(シンソンケゴク:신성계곡)の入り口にある 方壺亭(バンホジョン:방호정)。
渓谷の入り口の絶壁の高い岩床に作ったせいなのか孤高な儒生の風貌を持っています。
朝鮮光海君(クァンヘグン:광해군)11年(1619年)に方壺 趙遵道(バンホ チョジュンド:방호 조준도)先生が世俗の権力を後にしたまま、ひたすら学問探求に尽力するために建てられたあずま屋です。道指定民俗資料(第51号)に指定されるほど朝鮮時代中頃の木造の建物様式を一目で見せてくれます。
数百年もの間、風雨にさらされ色あせた跡がはっきりと感じられますが、繊細な技巧と質のよい建物の構造は、当時の上品ながらも厳粛な生活を表しているようです。正面3間、側面3間の規模の平屋になっており、タドゥムトル(다듬돌、柱の下の石)でセボルデ(세벌대、石を3段に積み重ねた建物の基盤)の基壇を作成し、丁寧にタドゥムトルに円柱を立てたことが目を引きます。中央には一間のオンドル部屋があり、その左右の間はウムルマル(床板構造の一種)を敷いた後、ばんと開放したところが異彩を放っています。近くには方壺 趙遵道先生の生母クォン氏の墓が互いに向き合っています。森林處士として隠居しながら母を偲んだ先生の切ない孝心を垣間見ることができます。亭子の下には数百年を超えたと思われる太いケヤキが長く日陰を落として旅人をしばらく立ち止まらせます。
住所:慶州北道(キョンサンブクド:경상북도)青松郡(チョンソングン:청송군)安徳面(アンドクミョン:안덕면)薪城里(シンソンニ:신성리)181
電話:054-873-0101
松韶古宅
송소고택
朝鮮時代の大地主、青松 沈氏(シムシ)の金持ち両班が住んでいたという松韶古宅(ソンソコテク:송소고택)は、まず邸宅の規模に感歎詞が自然に出てきます。ロの字型の九十九間の家、王が住む宮殿を除いて一般の私邸で建てられる最大規模だなんて、松韶古宅の両班様の権勢がどれほどだったのか推し量れてあまりあるようです。もともと青松 沈氏一族が朝鮮王朝500年の間、政丞を十三人、王妃を三人、ブマ(부마、王の娘婿)4人を輩出した由緒ある家です。歳月は流れましたがそれでも高くそびえる大門が歓迎してくれます。大門はホンサル(홍살:鳥居)を設置し、大きなサランチェ(사랑채:主人の居間)は正面5間、側面2間の八作屋根で、雄壮で美しいです。右側には小さなサランチェが、その後方には母屋があります。また朝鮮時代の上流階級の住宅様式を韓国に見ることができるホッダム(헛담:塀)、納戸、別棟などがあります。ホッダムは内外法が厳しかった時代には、もろもろの男衆が座っている前を通って母屋に行くのは非常に大変で、サランチェを遮る塀を作りましたがこれをホッダムと言います。
現在、国家既成の重要民俗資料250号(2007年10月)に指定され松韶古宅は、昔の先祖の生活と文化を直接感じることができる韓屋体験館として運営しています。韓屋文化体験とチェギチャギ(제기차기)、セチョンソギ(새총쏘기)、投壺(トゥホ:투호)、チルギョ(칠교)、輪回しなど、なかなか機会がない伝統的な民俗遊び体験も忘れられない思い出です。
住所:慶州北道(キョンサンブクド:경상북도)青松郡(チョンソングン:청송군)巴川面(パチョンミョン:파천면)徳川里(トクチョンニ:덕천리)176
電話番号:054-874-6556
-環境にやさしい健康旅行-
太古の伝説に満ちた青松(チョンソン:청송)は白頭大幹(ペクドゥデガン:백두대간)がもたらした見逃せない傑作です。
周王山 国立公園
주왕산 국립공원
空を突き刺すように高くそびえる奇岩怪石、中国の周王が新羅のマ長官と一大激戦を戦ったという伝説など周王山(ジュワンサン:주왕산)は一面太古の謎と秘境に満ちています。
新羅の時に建てられた古寺の大典寺(デジョンサ:대전사)をはじめとして、青鶴と白鶴が住んでいたという鶴巣臺(ハクソデ:학소대)、前につんのめるようにそびえる汲水臺(クッスデ:급수대)、周王の息子と娘が月見をした望月臺(マンウォルデ:망월대)、遠く東海が見渡せる王居岩(ワンゴアム:왕거암)、周王が隠れ住んで亡くなった周王窟(ジュワンクル:주왕굴)、水流が力強い 達基瀑布(タルギポッポ:달기폭포)など見所がたくさんあります。
住所:慶州北道(キョンサンブクド:경상북도)青松郡(チョンソングン:청송군)府東面(ブドンミョン:부동면)上宜里(サンウィリ:상의리)406
電話番号:054-873-0018
注山池
주산지
周王山(ジュワンサン:주왕산)国立公園の南西端にある注山池(ジュサンジ:주산지)は、自然の美しさと神秘をそっと現した人口貯水池です。1721年(朝鮮 景宗元年)に竣工したこの貯水池には、シダレヤナギとアカメヤナギなどの古木20余種が水の中で育っていて、水霧がかすかにかかる明け方になると、緑豊かな周辺の樹林と絶妙な調和を成して心地良い雰囲気を演出します。キムギドク監督の映画「春夏秋冬、そして春…」の撮影地として知られてさらに有名になりました。
新緑の春と紅葉に染まる秋には秘境を逃がすまいとする写真作家が全国から押し寄せます。
住所:慶州北道(キョンサンブクド:경상북도)青松郡(チョンソングン:청송군)府東面(ブドンミョン:부동면)梨田里(イジョンニ:이전리)
電話:054-873-0019
-ストーリーがある徒歩旅行-
ウェシボソンキル(スローシティキル)
외씨버선길(슬로시티길)
韓国代表の清浄地域である慶尚北道青松(チョンソン:청송)、英陽、奉化(ボンファ:봉화)、江原道(カンウォンド)寧越(ヨンウォル)の4つの郡の村道と山道をつないだ道でウェシボソンの形に似ているという理由です。名前まできれいなこの道はウォーキングの名所として名を上げています。
探訪路 概要
スローシティキル(슬로시티길)(第1道)-ジュワンサンタルギヤクスタンキル(주왕산달기약수탕길)
- 区間 18.5km 所要時間 約6~7時間(ジュワンサン(주왕산)~ソホンコンウォン(소헌공원))
スローシティキル(슬로시티길)(第2道)
- 区間 11.5km 所要時間 約4~5時間 (ソホンコンウォン(소헌공원)~ハンジチェホムジャン(한지체험장))
スローシティキル(슬로시티길)(第3道)- キムジュヨン ケクジュキル(김주영 객주길)
- 区間 15.6km 所要時間 約5~6時間(シンギドンヌティナム(신기동느티나무)~コヒョンジ(고현지))
青松 企画監査室:054-830-6356
青松文化観光課:054-870-3240
ウェシボソンキル案内所:054-872-0116で交換