1. コムタンに入る材料
- 主材料: 牛肉の様々な部位(赤身、しっぽの骨、内臓など)
- 副材料: 塩味で味をととのえ、ネギなどの香辛料を添える
2. 味の評価
- 辛さ: ☆☆☆☆☆
- 塩味: ★☆☆☆☆
- 甘さ: ☆☆☆☆☆
- 酸味: ☆☆☆☆☆
- コク : ★★★★☆
3. コムタンについての簡単な紹介
外国人観光客に人気のある韓国の伝統料理に「カルビタン」があります。韓国にはカルビタン同様牛肉の多様な部位を長い時間煮込んで作ったスープ料理がたくさんあります。
カルビタンの他に、コムタン、ソルロンタン、ウジョッタン、ドガニタンなどがあります。カルビタンの味が気に入るようでしたら、それと似た味の牛肉のスープ料理、コムタンを紹介してみたいと思います。
カルビタンが牛肉のカルビ部分だけで作ったスープ料理なら、コムタンは主に牛肉の赤身や内臓などを入れて作ったものです。多様な牛肉の部位を使っているため、味も香りも濃いのが特徴です。
コムタンは1527年、朝鮮時代の中宗の時代に「普通の汁料理よりスープが濃くてより真心がこもった貴い食べ物」と記録されています。すでに朝鮮時代から栄養価が高く貴い食べ物として王の食卓に上がり、食べつがれてきた料理でした。
その後1800年代の文献には、牛肉の様々な部位やあわび、なまこを入れて煮込んだ「コウム」という料理の記録がありますが、この「コウム」が現在のコムタンに変わったと言われています。
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コムタンは牛肉のしっぽの骨、ともばら、すね、内臓(コプチャン)などに大根と水を入れて長時間煮込んだものです。
スープから濃い味がしてきたら、肉はとり出して薄く切っておき、食べる時にスープと薄く切った肉、きざんだネギを一緒に入れて塩で味をととのえます。ここにご飯を入れて、キムチと一緒に食べます。
長く煮込んだスープには肉の味がしっかりしみ出て、肉はとろけるように柔らかくなります。
特別な味付けはせずに好みに合わせて塩だけで味をととのえるので、辛い料理とは違って負担にならず、外国人の口にもよくあう料理です。
コムタンと調理方法や材料が似ているのがソルロンタンです。
どちらも牛肉の多様な部位に水を加えて長時間煮込んで作るので、濃い味が共通しています。
コムタンは主に牛肉の赤身や内臓などを煮込んだもので、色が澄んでいて味には深みがあります。ですが、ソルロンタンは牛肉の赤身と骨を一緒に煮込むので、色は濁っていて味は淡泊でさっぱりしています。
韓国は古くから肉を貴重視してきたため、肉料理は特別な日にだけ食べる習慣がありました。特に肉のスープ料理は元気になる保養食として食べられてきました。
韓国は戦争があったので、100年以上の歴史を持った食堂がほとんどありませんが、羅州(ナジュ:나주)へ行くと105年の伝統を誇るコムタンの老舗があります。それほど韓国人が古くから好んで食べたのがコムタンです。
一粒の栄養剤よりはコムタン一杯で食事と健康を同時に満たしてください。
(wikipediaで詳しく見る : クリック )
4. コムタンの種類
コムタンは基本的に牛肉の赤身、内臓、しっぽの骨などを入れる料理方法は同じで、いろいろな種類が存在しません。
ですが作る人によって使う部位や比率、煮込み時間などが異なるので味が多少違ってきます。
牛肉の部位によって、しっぽの骨を入れて煮込んだコリコムタン、牛の足の骨を入れたサゴルコムタンなどがあります。
5. コムタンをよりおいしく楽しむ方法
韓国のお米はつやがあって粘り気があるのが特徴です。もちもちの韓国米とよく合う料理がコムタンです。
コムタンとご飯を別々に食べるよりは、スープにご飯を入れて一緒に食べたほうが味が良いと思います。いいにおいのする肉のスープにご飯の弾力性と甘味がしてよく合います。
ご飯の次にコムタンとよく合う食べ物が「キムチ」です。
濃い肉のスープを口にしているとしつこく感じるときがあります。そんなときキムチの辛さと酸味が口の中のしつこさをとり除いてくれるので、コムタンを最後までおいしく食べられます。
まとめてみるとコムタンに白いご飯を入れてよく混ぜ、スープと一緒にご飯ひとさじ分をすくって、その上にキムチを載せて食べるのが一番おいしい食べ方だと思います