英陽(ヨンヤン:영양)郡は大韓民国慶尚北道(キョンサンプッド:경상북도)の東北部にある郡である。英陽は奉化(ポンファ:봉화)、青松(チョンソン:청송)と共に慶尚北道の北部の奥地で、郡全体の人口は邑設置基準にも及ばない。島嶼地域の鬱陵(ウルルン:울릉)郡、壅津(オンジン:옹진군)郡を除いて全国で一番人口が少ない基礎自治体である。特産物は唐辛子、葉タバコ、センキュウ(川芎(チョングン):천궁)、オニノヤガラ(チョンマ:천마)などがある。郡庁所在地は英陽邑で、行政区域は1邑5面である。(出典ウィキ百科 - http: //ko.wikipedia.org/wiki/영양군)
自然の味、伝統の趣、故郷の情が呼吸する_英陽(ヨンヤン:영양)
禅岩(ソンバウィ:선바위)の秘境と英陽(ヨンヤン:영양)瑞石池(ソソクチ:서석지)の造景美
李文烈(イ・ムニョル:이문열) /小説家
1948年生まれ/英陽(ヨンヤン:영양)出身
小説「セハゴク(塞下曲:새하곡)」が東亜日報新春文芸で当選
韓国文化芸術賞、フランス文化芸術功労勲章殊勳賞受賞
「ひとの子」、「あの冬」、「若き日の肖像」、「詩人と泥棒」
「三国志」、「レーテーの恋歌」、「我らの歪んだ英雄」などの作品
瑞石池は全南(ジョンナム:전남)莞島(ワンド:완도)の芙蓉園(ブヨンウォン:부용원)、全南潭陽(タミャン:담양)の瀟灑園(ソセウォン:소쇄원)と並んで韓国三大庭園に選ばれているほど、端麗で清らかな美しさは申し分ない。それだけでなく瑞石池は、我が国の造景史の研究における貴重な資料としての価値がある。
瑞石池の奥深い趣は、池の水位によって現われる瑞石群(ソソッグン:서석군)の姿にある。
凹字形の池の上に現れた岩が約60個、水中に浸かっている岩が約30個である。かつてこの池の主人であった石門(ソンムン:석문)鄭榮邦(ジョン・ヨンバン:정영방)先生は、瑞石一つ一つに儒教的哲学と道教的願いを込めて名を付けたそうなので、庭園一つにも自然と人間の調和を夢見た祖先の精神世界を垣間見ることができる。
正門を入ると瑞石池を間に置いて敬亭(ギョンジョン:경정)が立ち、左に主一齋(ジュイルジェ:주일재)が立っている。
かつて池の持ち主は瑞石池の周りに四友壇(サウダン:사우단)を積んで松、竹、梅、菊を植え、ソンビの志しを何時も反ぷくしていた。
瑞石池の非常に低い垣根の上からよく保存された村の古宅が一望できる。
庭園は内院と外院に分離されている。人工的に造られた内院は思考、読書など私生活のための空間であった。外院は自然を庭園にしたてて用いる祖先の精神世界をうかがい知ることができる。外院には山や靑杞(チョンギ:청기)から流れる川の水をかすめるように屏風岩が囲み、秀麗な美しさを誇る。
自然を友として安貧楽道を夢見た祖先の人生に今更ながらうなずける。瑞石池庭園で過ごすこの瞬間だけは誰もが安貧楽道ではないかと思う。
- 子どもと一緒に出かける歴史ツアー-
輝くソンビ(学者)のふるさと英陽(ヨンヤン:영양)
山深く水の清い英陽(ヨンヤン:영양)は昔から優れた詩人や文人を多く輩出した文郷でもある。青鹿派(チョンロッパ:청록파)の詩人趙芝薰(ジョ・ジフン:조지훈)も、小説家李文烈(イ・ムニョル:이문열)もここの出身だ。
ジュシルマウル(주실마을)
山深く水の清い英陽(ヨンヤン:영양)は優れた詩人や文人を多く輩出した文郷でもある。青鹿派(チョンロッパ:청록파)の詩人趙芝薰(ジョ・ジフン:조지훈)もここの出身だ。英陽邑から国道31号線沿いに日月(イロル:일월)検問所まで行って、地方道918号を奉化(ポンファ:봉화)方面に進み10分ほど走ると趙芝薰の生家があるジュシルマウル(주실마을)だ。約60世帯が暮らすジュシルマウルには古宅があちこちにあって、古風な雰囲気だ。この村には趙芝薰の生家以外にも玉川宗宅(オクチョンジョンテク:옥천종택)、月麓書堂(ウォルロクソダン:월록서당)などの文化資源が豊富だ。
村の中央にある大きなソスル大門のある家が趙芝薰の生家、壷隠宗宅(ホウンジョンテク:호은종택)(慶尚北道記念物第78号)だ。朝鮮戦争の折に消失したが、趙芝薰が亡くなる5年前の1963年に復元された。正面と側面が7間で、この地域の典型的な家屋形態であり、正面には東屋形のサランチェがある。生家の近くに展示室と視聴覚室などを備えた芝薰文学館と芝薰詩碑公園があって芝薰の生涯と生きざまをうかがうことができる。
住所 : 慶北英陽郡日月面注谷里(キョンブクヨンヤングンイロルミョンジュゴッリ:경북 영양군 일월면 주곡리)
電話 : 054-680-6062
ドゥドゥルマウル(두들마을)
石保面院里里(ソッボミョンウォッリリ:석보면 원리리)のドゥドゥルマウル(두들마을)は石溪(ソッケ:석계)李時明(イ・シミョン:이시명)先生をはじめとした載寧(ジェリョン:재령)李氏の集成村である。慶尚北道民俗資料第91号の石溪古宅をはじめとする石川書堂(ソクチョンソダン:석천서당)など約30軒の伝統家屋が保存されている。小説家李文烈(イ・ムニョル:이문열)先生の生家も残っていて文学愛好家が絶えず訪れる。
石溪古宅は朝鮮時代中期に画家、文学者として生きた貞夫人(ジョンプイン:정부인)張(ジャン:장)氏が暮らした所だ。貞夫人張氏は特に子女教育のかがみと仰がれ、厚徳な母親像としてあがめられた人物である。貞夫人張氏は現存する最高のハングル料理書「閨壼是議方(ギュゴンシウィバン:규곤시의방)(飲食知味方(ウンシクディミバン:음식디미방)))を執筆し「傳家寶帖(ジョンガボチョプ:전가보첩)」、「鶴髮帖(ハッパルチョプ:학발첩)」などが残っている。
村のあちこちにある伝統家屋も良いが、匡山(クァンサン:광산)文学研究所が目にとまる。研究所は広々とした床のデチョンマル、アンチェとサランチェそして池が見える東屋と後学のための学舎チェ(図書館のような建物)と講堂がある。
李文烈先生の執筆室でもあり、文学セミナーなど様々な文化行事も開かれ、文学に関心のある人がよく訪れる文化体験の名所になっている。
주소 : 경상북도 영양군 석보면 원리리
전화 : 017-533-8154
- エコウェルビーイング旅行-
ホタルなど珍しい動植物の宝庫英陽(ヨンヤン:영양)は一つの巨大な生態展示館だ。
劍磨山(コンマサン:검마산)自然休養林
검마산 자연휴양림
「空の下の最初の町」と呼ばれるほど、汚れのない高山地帯に位置する劍磨山(コンマサン:검마산)自然休養林。汚染に苦しむ都会人が休息とウェルビーイングを兼ねて訪れるには最適の空間だ。
金剛松が立ち並ぶこの休養林の木々は、特にフィトンチッド(phytoncide)という殺菌効果を持つ特別な香りを出し、脱臭、殺菌、殺虫効果だけでなく、爽快感と免疫力を促進する。宿泊ができる山林文化休養館があって、自生植物観察園、常設テント場、野営用ウッドデッキ、登山路など施設もよく整っており、家族単位や青少年の心身鍛練の場としてもお勧めだ。
日月山(イロルサン:일월산)と日月山自生花公園
일월산과 일월산 자생화공원
山並みが秀麗で四季を通じてきれいな水が流れる日月山(イロルサン:일월산)には、珍しい植物やチョウセンカサユリ、オキナグサなどの野生花を思う存分見ることができる。廃鉱となった場所をきれいに浄化した後、この一帯で自生しているケマンソウ、イワギク、ワスレグサ、チョウセンシオンなどの野生花を移し植えて、国内最大規模の野生花公園を造成してある。
訪問者が不自由しないように、リラックススペースや様々な施設も完備している。松、ケヤキ、ニシキギなど、1万1,000本が植樹栽培され、公園の中には美しい人工池やスイレン、ノハナショウブ、ハナアヤメなどの湿地植物を観察することができる水路があってさらに良い。
住所 : 慶北英陽郡日月面龍化里(キョンブクヨンヤングンイロルミョンヨンファリ:경북 영양군 일월면 용화리) 394-4
電話 : 054-680-6313
ホタル生態公園
반딧불이생태공원
水下(スハ:수하)渓谷の囲む清らかな長水浦川(ジャンスポチョン:장수포천)の水が悠々と流れるジプネマウル(지푸내마을)周辺は、名前のごとく汚染されていないきれいな所にのみ生息するホタルを見られる国内でも数少ない無公害地域の一つだ。
また数百種の珍しい昆虫やホタルのエサとなるカタツムリ類やマルタニシ、カワニナなどが多く棲息する生態系の宝庫だ。しかも慶北では初めて特区に指定された場所に生態公園と生態学校、ホタル天文台まであって、のんびりと生態学習を兼ねていくのにはもってこいだ。
廃校をリモデリングした生態学校には展示館、体験館などが作られ、学習スペースとして生態展示館や研究所、それにチョウ、トンボ、ホタルなどの昆虫を観察できる場所、野生植物園、汚水自然浄化池などがある。
住所 : 慶尚北道英陽郡首比面水下里(キョンサンプッドヨンヤングンスビミョンスハリ:경상북도 영양군 수비면 수하리) 255-1
電話 : 054-680-6045
- ストーリーがある徒歩旅行-
ウェシボソンギル(외씨버선길)(自然治癒の道、吳一島(オ・イルド:오일도)詩人の道、趙芝薰(ジョ・ジフン:조지훈)文学の道)
英陽(ヨンヤン:영양)のウェシボソンギル(외씨버선길)は、2011年10月に2番目の33.5㎞が竣工された状態である。2010年完工された最初の自然治癒の道(8.3㎞、3~4時間)は日月山(イロルサン:일월산)自生花公園 ~ 雨蓮田(ウリョンジョン:우련전)のコースだ。長い歳月の間、収奪と毀損の歴史を過ごした日月山国道と軍事道路が新しい生命を吹き込まれ治癒と自然の道として生まれ変わった。日月山自生花公園で私たちの歴史的な痛みが染みついた日帝強制占領期間の鉱山を見て、半邊川(バンビョンチョン:반변천)渓谷に沿って続く美しい森の道のすぐれた景観と歴史を感じることができる所だ。「英陽28」の道しるべ近くの木の椅子の休憩場がある「ジンドゥン(진등)には赤と黄緑の希望のポストがある。赤のポストからはがきを取り出し「自分に送る手紙」を書いて黄緑のポストに入れれば1年後に受け取ることができる。
2番目の吳一島詩人の道(4~5時間、11.5㎞、禅岩(ソンバウィ:선바위)観光地~英陽伝統市場)と趙芝薰(ジョ・ジフン:조지훈)文学の道(5~6時間、13.7㎞、英陽伝統市場~芝薰文学館)は2011年10月竣工された。単純な徒歩の道という域を越えて時代的な痛みを間接経験し、当時の詩人はどのように表現したのかを感じることができる道である。歴史の足跡がそのまま残っていて、現代を生きる人に健康を維持し教訓を残すことが期待できる。
吳一島詩人の道は、知性で感情を節制するより、感情を自由に表現した詩風をそのまま感じることができる道だ。また趙芝薰文学の道は、英陽が誇る天恵の自然景観に半邊川とあいまった山の美しさの極致を経験することができる。かなり低い山道に沿って歩いて行くと、川に沿って流れる壮観が一望できる。
そよ風に乗って運ばれてくる松の香りと共に、道が長くなるほど詩人の詩風がにじみ出るようだ。
探訪路概要
自然治癒の道(七番目の道) 8.3㎞、3~4時間
- 日月山自生花公園 → 雨蓮田
吳一島詩人の道(五番目の道) 11.5㎞、4~5時間
- 禅岩観光地 → 英陽伝統市場
趙芝薰文学の道 (六番目道)
- 英陽伝統市場 → 芝薰文学館
英陽郡文化観光課 : 054-680-6062
社)慶北北部研究員ウェシボソンギル探査チーム : 054-683-0031