1. ファンテヘジャンクッに入る材料
- 主材料 : スケトウダラの干物(ファンテ)
- 副材料 : 豆もやし、ダイコン、ジャガイモ、ネギなどの副材料とごま油、醤油、塩などの調味料
2. 味の評価
- 辛さ: ☆☆☆☆☆
- 塩味: ★★☆☆☆
- 甘さ: ☆☆☆☆☆
- 酸味: ☆☆☆☆☆
3.
ファンテヘジャンクッ(スケトウダラの干物のスープ)についての簡単な紹介
韓国ではお酒を飲んだ翌日は温かいスープ料理でお腹をいたわる食文化があります。この時食べる物を「ヘジャンクッ」と呼びます。
数十種類に及ぶヘジャンクッの中の代表的なヘジャンクッに「ファンテヘジャンクッ」があります。ファンテヘジャンクッはファンテ(スケトウダラの干物:황태)を主材料としてダイコン、豆もやし、ジャガイモ、ネギなどの材料を入れて作る汁料理です。ファンテには肝臓を保護する必須アミノ酸が多く含まれていて、飲みすぎや二日酔いの解消に卓越した効果があるため、お酒好きの人にはありがたい食べ物でもあります。
ファンテヘジャンクッは江原道(カンウォンド:강원도)を代表する郷土料理です。
ファンテが江原道の代表食である理由は、スケトウダラの主な水揚げ地が黄海で、ファンテを作るのに重要な日照量、寒さ、風がそろった自然環境だからです。
江原道の黄海の青い海で獲れたスケトウダラを、冬のあいだ中氷らせ、乾燥させる作業を繰り返して作ります。
おいしい黄海のスケトウダラを寒くて澄んだ空気の江原道の山間地方で乾燥させると、身が黄色く綿のように膨らみ、淡泊で生臭い臭いがしなくなります。
ファンテはこのような気候の特性を生かした北方の咸境道(ハンギョンド:함경도)地方に由来しています。朝鮮戦争以降、南に下った咸境道の避難民が江原道一帯に定着し、ファンテを作って全国的に知られるようになりました。
ファンテで数種類の料理を作りますが、一番人気のあるのが「ファンテヘジャンクッ」です。
よく乾燥させたファンテの身だけで作り、水を入れて豆もやしやダイコン、ネギなどを入れて煮込み、ご飯と一緒に食べます。
ファンテは魚ですが、生臭さが全くせず、コクのある深い味がするため、二日酔いでお腹の調子が悪くても食べることができます。
また淡泊でさっぱりとした味が好まれ、酔い覚め用としてでなく、一般的な家庭料理としてもよく出されるメニューです。
前述したように韓国の伝統食には数十種類のヘジャンクッがあります。ヘジャンクッは豚肉や牛肉の血や内臓などを主に使うものもあるため、拒否感を持つ人も多々います。
しかしさっぱりしたファンテは拒否感もなく、一番無難な点が、老若男女誰からも好まれ、外国人の口にも合ったヘジャンクッではないかと思います。
春は寒い江原道の風でしっかり乾かしたファンテが出荷される時期です。
江原道の澄んだ山の風をいっぱい浴びたおいしいファンテで、お酒で疲れた胃腸をいやしてください。
2.
ファンテヘジャンクッの種類
冬のあいだ中スケトウダラを乾かしたものをファンテと呼び、このファンテを入れて作った汁をファンテヘジャンクッと言います。
豆もやしやダイコンを入れてスッキリした味にしたり、ジャガイモを入れてボリュームを出すこともあります。
5.
ファンテヘジャンクッをよりおいしく楽しむ方法
ファンテヘジャンクッはファンテが持つ栄養成分とさっぱりした味のおかげで二日酔い解消用によく食べますが、普段でも家庭でよく出されるメニューです。
ファンテは特別な乾燥過程で特有の深い味が出るため、外国では経験しにくい味ではないかと思います。
魚ではありますが生臭くなく、水分が飛んでスケトウダラ固有の味がしっかり残ったファンテは香ばしくてさっぱりした味を持っています。
その濃いファンテ本来の味が失われないように煮込んだものがファンテヘジャンクッです。
ファンテヘジャンクッのスッキリとしたコクのある味をしっかり味わうためには、他の調味料は使わず、ただご飯を入れて食べるといいです。
一口目は刺激的ではないけれども、食べるうちに特有のうま味に魅了され、もっと食べたくなる中毒性があります。