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Start
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小公園
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雪嶽山
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新興寺(シヌンサ)
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フンドゥルバウィ
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蔚山岩(ウルサンパウィ)
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日の出公園(ヘマジコンウォン)
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洛山寺(ナクサンサ)-1
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洛山寺(ナクサンサ)-2
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洛山寺(ナクサンサ)-3
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焼き魚
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中央市場
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観光ホテル
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ケッペ
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アバイ村
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シンダシン食堂
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灯台展望台
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港
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海水浴場
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青草湖(チョンチョホ)
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Finish
アバイ村
束草(ソクチョ:속초)市内の方向からケッペに乗って渡って来たここは束草市清湖洞(チョンホドン:청호동)です。いわゆる束草の「アバイ村」と呼ばれている所です。
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多くの名前の中でよりによってどうしてアバイ村と呼ばれるようになったかというと、銅像の横にある碑石でその由来を確認することができます。
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朝鮮戦争の最中、一・四後退当時、国軍に付いて南下した咸境道(ハンギョンド:함경도)一帯の避難民が、戦争が終わると故郷に帰るあてがなくなったため、休戦線に近い海辺の大平原に家を建てて集落を形成し、咸境道出身の中でも特に高齢者が多かったため、咸境道なまりである「アバイ(아바이、おじいさんの意)」という言葉をとって「アバイ村」と呼びはじめたそうです。
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今はアバイと呼ぶにふさわしい失郷民のおじいさんより、観光客を誘致するのに忙しい飲食店でいっぱいになってしまったので少し残念ではありました。
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アバイ村はケッペ船着き場の入り口と後ろの浜辺の間の路地一つを中心に、両側に家が並ぶだけのとてもこじんまりした村です。
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この小さな村で一番有名な(?) 所は素敵な風景でもおいしい飲食店でもなく小さな雑貨屋。KBSの「1泊 2日」という番組で放映されてからここの名所になりました。
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歌手「イ・スンギ(이승기)」の知人のおばあさんが運営するというこの雑貨屋では、このごろは本当にめずらしくなった雑多な品物を店の前に陳列して売っていました。
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むしろマートで見られる品物はここでは見かけられないくらい、小さい頃、学校の前でよく食べていた思い出のお菓子が店先にいろいろと出されていました。
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かすかに思い出せるパッケージの駄菓子を両手いっぱい買ったのにたったの 2,500ウォン。それなのにたくさん買ったからと米菓子まで一つおまけにくれた店主のおかみさん。ここがただの商売に長けた観光地の名物通りではなく、こういった人情がある所だという点、これが人々に愛されるゆえんかも知れません。
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少し高い所にあがっただけで村全体がひと目で見渡せるほど小さな村なので、村を見て回るのに30分もかかりません。なのでひょっとしたらアバイ村を見学するよりは、たくさんある食堂街での食事を楽しむために来た人も少なくないかと思います。
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ですがここも立派な漁村の一部。意識して目を向けてよーく見て回れば観光地としてのアバイ村ではなく漁村で見られる光景を一つ二つ見つけることができますね。
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軒下の網には小さな魚を干してある閑散とした風景がある一方、村の片隅の小さな入り江には、漁師が遠い海に出る前に漁具を整理する忙しい漁村の日常が見られます。
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そして続々と防波堤の間をかきわけて海から帰って来る船があり、あるいは大漁の夢を抱いて海に向かう船もたくさん見えます。
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束草の中心にある湖。青草湖と海を結ぶ通り道のここには、海の魚の生きた味を味わうために釣り竿を垂れる人の姿もちらほら見かけます。
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アバイ村の北には都市の北部地域と連結する金剛大橋が、南側に位置するここには高速ターミナルがある南部地域と結ぶ雪嶽大橋(ソラクデギョ:설악대교)でつながっていて、今は陸地でも島でもない地域になっています。
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村の南側にある階段とエレベーターを通じて雪嶽大橋に上がると展望台と呼んでもいいほどの前後に広い視野が開かれて、大橋の中間では東海と雪嶽山の景色を眺めることができる小さなスペースがあります。
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後ろのほうには、とがった雪嶽山の峰が広がっており、前のほうにはだだっ広い海の水平線と白い波を立ててスピードを出して通り過ぎる船がかっこいい風景を作り上げています。
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橋脚の中央には目では見えない遠くまで見られる望遠鏡が設置されていて、このすごく素敵な風景をより実感できるようになっています。一番よく見えるのは、束草のすべての沖合いから見られる小さな岩島の鳥島(チョド:조도)。
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鳥が多いことで有名な鳥島は、少し前までは松の森が鬱蒼としていましたが、異常現象で鳥が多くなったため、木がすっかり荒れ果ててしまったそうです。望遠鏡で見ても岩の上に鳥がびっしりといます。
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村の中と雪嶽大橋の展望台の風景を見たので、最後にアバイ村の浜辺を見て回る番。私たちは鉄製の階段を通って再び村の方におりていきました。
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浜辺には木で彫刻されたいくつかの彫刻品が置かれています。イカの形をしたこいつはけっこうかわいいんじゃない?
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束草には多くの浜辺がありますが、海水浴場の浜辺のこの場所がドラマ「秋の童話」の撮影地として使われた有名な場所です。
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束草港に触れるほど長く三日月のように広がるこの浜辺は、反対側の入り江とはまた違った世界です。長細く広がる砂浜を眺めていると寒い時期にここを訪れたことがとても残念に思えてきました。
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地理的に見るとこの浜辺とアバイ村全体が、束草の青草湖を守ってくれる大きな防波堤だと言うことができます。それにアバイ村は束草と言えば真っ先に浮かぶ観光地ですから、束草の宝物だと言えますね。
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少なくても束草へ来たら、広くて白い砂浜と展望台、そしてケッペ体験に一度は行って見るべきでしょう。ただし人気の名前の「アバイ」を連想させる所はこれといって見あたらなかったというのが少し残念だったといえば残念な点。そういう所が少しずつ少しずつ補強されれば立派な観光地となり、わが国の歴史ある場所としていつかは様変りしていることでしょう。飲食店の客引き行為が少しは気に触る部分がありますが、そういった命脈を受け継いで行けるように束草へ行ったら一度訪問して見るのも良い思い出になることでしょう。
住所 : 江原道束草市清湖洞(カンウォンドソクチョシチョンホドン:강원도 속초시 청호동)1076
電話番号 : 033-633-3171
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