Holiday Journal

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1026 | 20188988

光州 #5 - 国立光州博物館(クンニプクァンジュパンムルグァン) - (Korea Tour)
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Last Modified : 2017/02/17

Travel regions : South Korea
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現代史における絶体絶命の光州(クァンジュ:광주)を見たので、今度はすべての世代にわたる光州の姿を見るために「国立光州博物館(クンニプクァンジュパンムルグァン:국립광주박물관)」に足を運びました。




市内の北に位置する国立光州博物館は通常の他の国立博物館のように無料で観覧することができるので嬉しい所でもありますね。




風はあっても熱い日差しが照りつける夏、博物館で日傘を貸してくれます。もちろん今日のように曇って雨の降る日は別に意味がないけれど。




チケット売り場を過ぎると、様々な木で造園された広場越しに博物館の全景が目に入って来ます。そしてその通路には蓮の花が一面に咲いていて、訪問者が写真を撮りまくっていますね。




光州国立博物館は他の国立博物館に比べて規模は少し小さい方ですが、かっこよく韓屋の形を形取った屋根がとても印象的です。




二階にかけて全部で4パートで構成され、一階は先史/古代文化室、農耕文化室、二階は中/近世文化室と企画展示室に区分されています。




案内パンフレットを一つもらって、まず案内デスクの横にある先史/古代文化室に入りました。




朝鮮半島の全般的な歴史に関する図表とともに石器時代と青銅器時代の遺物が展示されています。




これらは全国すべての博物館が同様なため、簡単に見て移動しました。いつも感じることですが、なるべくなら該当地域の特徴的な遺物を展示したらどうかと思います。




各種遺物で構成された古代人の人形。遺物一つ一つの形はたくさん見てきましたが、こうして実際に使われた感じで大々的にかたどられていたのは珍しかったです。




またたく間に先史時代を見て次は農耕文化に関連した遺物を展示する農耕文化室。




正面には新昌洞(シンチャンドン:신창동)で発見された大きな穀物倉庫が復元されてありました。「そう、こういうもの!」直接入って見ることはできませんが、扉を開けて内側を見ることもできます。




外の形だけではなく内側も纎細によく復元されていますね。大梁にかけられた穀物と当時あったと思われる土器も立てかけてあります。




この農耕文化館をうめつくす遺物が発見された光州光山区新昌洞(クァンジュクァンサンクシンチャンドン:광주 광산구 신창동)は初期鉄器時代と原三国時代の遺跡地として、かなり高い関心を集めた所です。




ものすごくたくさんの遺物が発掘されましたが、特に生活用品関連の遺物が多く出土しました。




食べ物の調理と保存のための台所道具と土器、そして服を作る織物生産用の道具まで。木で復元された古い型の織機もあります。




そして何よりこの光州博物館が気に入った理由は、展示してあるパートごとに目的性と所属遺物に対する説明や区分がとてもよくできているという点です。




ショーケースの上段に、展示品の用途や使われた場所を区分し、下に展示された遺物一つ一つに対する説明も欠かしていません。




ショーケースの上段に、展示品の用途や使われた場所を区分し、下に展示された遺物一つ一つに対する説明も欠かしていません。




一方では外国人らしき観覧客にガイドが熱心に説明中です。上手な英語ではありませんでしたが、笑いながら観覧する姿が本当に楽しそうでした。





こうして農耕文化室を見て回り、次は二階にある中/近世文化室です。中/近世時代は高麗~朝鮮時代です。




やはり当時文化の主流をなしていた仏教関連の遺物がまずお目見えします。先にパートに関する説明を読んでから回り始めることにします。




梵鍾? もともとお寺に大きな鐘があるということは知っていましたが、こんな小さな鐘もあるんですね。それも纎細に彫刻されていて不思議ですね。この鐘の名前は「長生寺鐘(ジャンセンサジョン: 장생사 종)」です。表にはこの鐘を作るために50斤ほどの銅を使ったと書かれています。




穏やかなほほ笑みをたたえた仏像。この仏像はかなり注目を浴びる照明と人目を引く位置にあったのですが、あまり説明がなくて内容がよく分かりませんでした。




行政区域上光州は全南(ジョンナム:전남)を代表する地域だと言えます。なので近隣の全南地域の遺物も一緒に展示していますね。




かすかな青色の機運が漂う多様な青磁。一般的に白磁といえば朝鮮、青磁といえば高麗を指しますね。全南康津(カンジン:강진)がその高麗青磁の窯跡が一番多く発掘された所だそうです。




この白磁は珍しく、ただの皿や食器ではなく「基誌(ミョジ:묘지)」だそうです。「李箕翊(イ・ギイク:이기익)白磁基誌」。墓のぬし李箕翊という人の一生を円形にそって丸く書いてあります。




ここ国立光州博物館が更に珍しい点は、以前新安(シナン:신안)沖で発見された宝船から出土した遺物が展示されているという点ですね。




別名「新安船」と呼ばれるこの船は中国の船で、当時の高麗と中国元の間を行き交った商船でしたが、どうしたわけか座礁して新安沖で発見されたのです。




船の中には高麗青磁を始めとする高麗の工芸品や中国、日本の様々な品物が積まれていて、14世紀の東アジアの海上貿易に関する実物資料となりました。




その中でも、時おり韓国史の試験に出題される新安船の貨物表。木で作られた木簡(モッカン:목간)に目がいきました。博物館を訪問する度に教科書で見たものが見つかると、どうしてこんなに嬉しいのか分かりません。




ここでは簡単にいくつかの遺物を確認することにして、新安船についてもう少し詳しい情報を知りたければ、ここより木浦(モッポ:목포)の国立海洋遺物展示館を訪れるのも悪くありません。




新安で新安船の関連資料をすべて見て出てくると、自然を描いた東洋文化の代表的な芸術品である屏風が目に入って来ます。




ここは昔の祖先が描いた風景画、静物画などの水墨画を展示している所です。こういった絵柄はせんす、書物、屏風、贈り物など様々な所に使われました。




また有名な僧侶や国のために功績をたてた人物、功臣の肖像画も展示中です。まさにこういう絵が私たちが旅行をした時、有名な位牌のある祠などで出会えるああいった絵です。




二階のまた別のショールームの企画展では「南道文化展5弾全南高興(コフン:고흥)」に関する資料を展示してありました。




実際こうしてそれぞれの小さな郡単位のテーマで展示するのも、本当に斬新な展示アイディアだと思います。入り口の前には高興で出土した代表的な遺物である官帽が真っ先に出迎えてくれています。




そして高興郡にある有名な寺と寺にある素晴らしい文化資産も紹介していますね。敢えて行かなくても、ひと目で見られるという点が良いと思いました。




最近映画などで国民の人気を集めている壬辰の乱の英雄「忠武公李舜臣将軍(チュンムコンイ・スンシンチャングン:충무공 이순신 장군)」の文書も残っています。




多くの地域の名士が王から受けた命令書である教旨もいくつか展示されています。ただし、すべて漢字なので、内容は理解できなかったという点。たぶん任命状ではないかという推測をするだけです。




朝鮮時代に学校及び地域維持の役割まで受け持っていた高興郷校(コフンヒャンキョ:고흥향교)の紹介を最後に昔の祖先の文化遺産は終わり、近/現代の品物が見えてきました。




まず最初は「小鹿島病院(ソロクドビョンウォン:소록도병원)」です。その昔、ハンセン病患者を隔離した島だとは知っていましたが、それが高興にあったという事実は博物館で初めて知りました。




そしてもう一つ、博物館でこの人に会えるとは思いませんでした。白黒テレビの時代、子供たちの人気を独占した国民プロレスラー、頭突きの「金一(キム・イル:김일)」選手の故郷が全南高興だそうです。




当時使っていたかばんや運動靴、そして大統領からもらった勲章、虎と竹が描かれたプロレスガウンまで展示してあります。ここが博物館なので、ちらっと横目で見たら、まるでどこかで発掘された古代の貴族の衣装だと思うのがおちでしょうね。




ところで我が国最初の人工衛星の発射装置の名前をご存知ですか? それが羅老號(ナロホ:나로호)です。全南高興の羅老島(ナロド:나로도)にある羅老宇宙センターから打ち上げられました。そのゆかりで展示館には羅老號に搭載された科学技術衛星 2号が展示してあります。




こうして企画展示館を最後に国立光州博物館の観覧を終えて、博物館周辺の詳しい形態のよくわからない遺物を後にして、雨に打たれながら次の旅先に移動しました。国立光州博物館はこれと言った有名な国宝級の遺物を展示してはいませんが、全南の固有文化を感じるには十分で、いろいろな面を見られる良い博物館でした。しかも次に紹介する所と遠くないので時間があったら一度必ず立ち寄って見てください。



地図 : click

住所 : 光州北区梅谷洞山(クァンジュプックメゴクドンサン:광주 북구 매곡동 산)83-3

電話番号 : 062-570-7000

運営時間 : 09:00~18:00 (週末 19時) 月曜日休館

価格情報 : 無料

ホームページ : click


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