Holiday Journal

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1642 | 20033932

咸陽/南原 #1 - 左の安東(アンドン:안동)、右の咸陽(ハミャン:함양)、古色蒼然たる介坪(ケピョン:개평)韓屋村 - (Korea Tour)
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Last Modified : 2017/02/18

Travel regions : South Korea
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韓国で朝鮮時代の両班の村を語る時は、常に「左の安東(アンドン:안동)、右の咸陽(ハミャン:함양)」と言います。これは咸陽というのは都市が安東に劣らず、多くの儒学者を輩出した地域だという意味です。今日行く介坪(ケピョン:개평)韓屋村は、朝鮮時代の性理学の大家である「一蠹(イルドゥ:일두)鄭汝昌(ジョン・ヨチャン:정여창)の地元で、村の歴史が朝鮮の500年の歴史をゆうに越えているので、古色蒼然たる景色が現在の姿からもうかがえる所です。ここにあるすべての韓屋には現在住民が暮らしており、観光地として広く知られた所ではないため、村の住民の愉快なもてなしが印象深い所でした。村のあちこちには由緒ある古宅がたくさんありますが、田舎道をゆっくり歩きながら隅々まで見物して、なごやかな時間を楽しめる素敵な所です。



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介坪韓屋村は、慶尚南道咸陽郡咸陽邑(キョンサンナムドハミャングンハミャンウプ:경상남도 함양군 함양읍)から約8km程離れた地谷面(ジゴッミョン:지곡면)にあります。村には建てられてからゆうに100年は過ぎていると思われる様々な伝統韓屋が60軒ほどありますが、まだ観光地として有名になっていないので、ようやく案内所などを作って広報を始めようとしている、比較的新生旅行地とでも言いましょうか?




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広い村に旅行者は私ひとりだけでしたが、一人で楽しく村の花をくまなく見て歩きました。「介坪」という名前は二股の小川の間に村が「介」の字のように納まったところからつけられた名前です。村の入り口にある介坪村の標石の左・右の二つの小川が一つになって、その間に村ができた形になっています。村と並んだ広い野原を村の人は「ケトゥル(개들)」と呼びます。



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この村を見て回るコースには特別なものはありません。あちこちの村の小道を心の向くままに歩いてみると、いつの間にか全部を見て回れます。介坪村には鄭(ジョン:정)氏と盧(ノ:노)氏の家が密集して暮らしている村です。今も居住する大部分の住民がその子孫なので、表札の大部分は鄭氏と盧氏です。どこかも分からない小道をあちこち歩き回っていると、まず咸陽豊川(プンチョン:풍천)盧氏の大宗家にたどり着きました。




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大門のデザインがとても美しいですね。掛け金も懐かしく、ドアを閉めるために別に設置された施錠掛けも、その下にあるドアロックも面白いですね。中にどんな人が暮しているのか入ってみましょうか。元々ドアがあいていましたが、撮影のためにしばらく閉めて撮ったんです。もし門が閉まっていたら入らないのが礼儀でしょう? でもこの村の家は、大部分門が開けてありました。門が閉まっていて見れなかった古宅はありませんでした。




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ソスル(솟을)大門を開けて入っていくと、正面に大きなサランチェ(사랑채、男性の居室)が見えます。この家は豊川盧氏の中始祖「盧叔仝(ノ・スッドン:노숙동)」の家で、1820年にその後孫が建て直した大宗家(文化財資料第343号)です。朝鮮時代後期の建築様式と技法をよく理解できる素晴らしい古宅です。比較的管理もよくされている方ですね。




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サランチェを過ぎてアンチェ(안채、母屋)に入っていくと、家が本当にこぢんまりしていて素敵でした。アンチェは左右に別の部屋があって、手前にはサランチェがあるので、自然と口の字形になっていますね。白髪のおばあさんがアンチェのデチョンに座っていたので、「おばあさ~ん、ちょっと見学してもいいですか?」と尋ねると、どうぞ、どうぞと手招きをして喜んで迎えてくれました。少し前までソウルに住んでいて、今は故郷に帰って来たというこのおばあさんと、ずいぶん長いことしゃべることができました。村のお年寄りが歓迎してくれて本当にありがたかったです。



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村中どこも平凡なところがないですね。低い瓦の垣根も美しく、裏には山があって村の左右には小川が流れています。低い丘のふもとには松が群落を成し、川が流れるような自然に出来た道も印象的です。



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松の群落地に沿ってに村の後ろの丘を上がってみると、介坪村全体が一望できます。村と小川、そして野原やその奥の德裕山(ドギュサン:덕유산)の稜線がリズミカルな風景を演出していますね。



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石垣で囲まれているここは、介平里の盧參判宅古家(ノチャンパンテクコカ:노참판댁 고가)です。最近、アルファ碁と李世乭(イ・セドル:이세돌)9段の囲碁対決が話題になりましたね。ここは朝鮮時代末期、韓国の囲碁界の第一人者である、史楚(サチョ:사초)盧近泳(ノ・グニョン:노근영)先生が生まれた所です。号が史楚なので盧史楚(ノサチョ)と呼びましたが、貧しい人を何人も助けてあげたそうです。ある時はひどい日照りで凶年となり、王に租税を減兔してくれるように上訴し、減額になったことで近隣の住民たちから感謝され、その印としてこのサランチェが建てられたと言います。日帝強制占領期には、日本の木谷実8段や多くの日本のプロ棋士との競技では、白番にもかかわらず広く勝ちを収め、プロ棋士がいなかった時代に朝鮮囲碁界の名人と呼ばれた。



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古宅を出て田舎道を歩いていると、中からおばあさんが「どこから来たんだい?」と尋ねました。「町並みがとてもきれいで村の見物に来ました。おばあさんお体お大事に。バイバ~イ」と手を振ると、おばあさんも応じてくれました。^^*



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あちこちの韓屋村に行って見ましたが、こんなに自然な所に出会えたのは珍しいです。土と石を交ぜて作った垣根には苔が生え、瓦を載せた屋根には長年の歳月を感じられます。家の前の竹林には、ニワトリがあちこちで餌をついばんでいるし、垣根続きの畑では、新芽が出て穏やかな田舍の趣が漂っています。ところであのニワトリ、一直線に並んでいるみたいじゃないですか? ^^*



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この家のソスル大門を見ただけでも尋常ではない方の家に見えませんか? ここは「一蠹古宅(イルドゥコテク:일두고택)」という所です。咸陽の代表的な人物をあげろと言われれば、一蠹鄭汝昌(ジョン・ヨチャン:정여창)が浮かびます。元々慶南(キョンナム:경남)河東(ハドン:하동)の人ですが、妻の実家であるここへ来て暮らし咸陽の人になりました。中に入ってから話を続けましょうか?。ところでソスル大門の軒下には、五人の孝行息子と忠臣を輩出したことを知らせる5つの旌閭牌(ジョンリョペ:정려패)がかかっていますね。孝行息子と忠臣、そして烈女は、国から公式的に認められる褒賞制度があって、朝鮮時代の社会制度の一面をうかがわせています。



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ソスル大門を入ると、高く築いた土台の上にどっしりと「ㄱ」字形のサランチェが見えます。一蠹古宅は一等地に立っているとのうわさですが、典型的な慶尚道の両班の家の形をしています。特に、ここはKBSドラマ「土地」で崔參判宅として出てきた所で、MBCドラマ「茶母」では幼いチェ・オクの生家としても使われた所です。ドラマを見た方なら多分覚えていると思います。



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サランチェの軒下には途方もなく大きい「忠孝節義」という文字が目立っています。興宣大院君(フンソンデウォングン:흥선대원군)が書いたとされていますが、まだ正確な考証はされていないそうです。韓紙が幾重にも重ねられていて歳月が感じられます。韓紙が幾重にもなっている理由は、文字があせたり、紙が裂けると、その上に韓紙を重ねて当てて、まったく同じように筆写したため、多くの韓紙が付いているそうです。



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鄭汝昌は燕山君(ヨンサングン:연산군)時代に「戊午史禍(ムオサファ:무오사화)」により棍杖で100打を打たれ咸鏡道(ハムギョンド:함경도)に流刑となり、1504年の「甲子士禍」の時、剖棺斬屍(ブグヮンチャムシ: 부관참시、死後罪が認められ、墓の中の死体の首をはねられ見せしめにされること)にまで遭うさげすみを受けるが、朝鮮性理学史では「金宏弼(キム・グェンピル:김굉필)、趙光祖(ジョ・グヮンジョ:조광조)、李彦迪(イ・オンジョク:이언적)、李滉(イ・ファン:이황)」と共に、東方五賢として称賛される偉大な人物でした。この家の名前は「鄭汝昌古宅」、「一蠹古宅」、化財登録当時の持ち主の名を取ってつけた「鄭炳鎬(ジョン・ビョンオク:정병옥)家屋」などは、皆ここを示しています。サランチェの右手の方に行ってみましょうか。



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サランチェの垣根の向こうには、アンサランチェがもう一つありますね。お客様がたくさん来たり、子孫が多い家だったようです。中央に見える一角門(イルガクムン:일각문)を通った左側にはアンチェがあって、正面に祠堂が、右側には別堂(ビョルダン:별당)があります。ところで「一角門」といえば、何か意味がある門だと思っている人もたまにはいますが、ただの大門間(デムンカン:대문간)(ソスル大門の両側に付いているヘンランチェのような所)は別になく、両方に柱だけ一つずつ立った門を総称してこう呼びます。



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アンチェがとてもほのぼのとした雰囲気ですね。庭には一面芝生が植わっていて、後ろに飛び出したサランチェと左側のアレチェ(아래채)のおかげで自然に「口」字形になっています。朝鮮時代は男女が特に区別された時代だったようです。女性だけが暮らしていたアンチェに入って行くためには、大門、一角門、中門と三つの門を通過しなければなりませんね。アンチェの庭には井戸が一つありますが、介坪村には全部で五つの井戸以外には、一切他の井戸を作らなかったそうです。ですが、日帝強制占領期間に小学校に井戸を掘ってからは、この村が急激にさびれていったそうです。



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そして最後の路地で出会った「河東(ハドン:하동)鄭氏古家」。前庭の木と芝生が本当にきれいですね。この村は元々慶州(ギョンジュ:경주)金氏と河東鄭氏が先に住んでいた所ですが、15世紀に入って豊川盧氏が入って来て一緒に暮らし始めたそうです。現在は大部分、河東鄭氏と豊川盧氏だけが居住しています。



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そして介坪韓屋村は530年伝統のソルソンジュ(솔송주)が有名です。松の葉でつけたお酒ですが、村の入り口に試飲できる所もあるので、ここへ来たら必ず一度味わっていかれたらいいと思います。


介坪韓屋村は、他の韓屋村とは少し違った感じのする所です。店といったら、ソルソンジュの試飲所だけで、他のどこにも商業的な雰囲気がありません。まだ旅行客がたくさん訪れる所ではないからかもしれませんが、村の人も皆、親切で優しいです。どうかここへ行かれる方は、静かに見学して、もし道で村の人と出会ったら、笑顔を向けてください。そうすれば、それに応じた反応が返ってくると思います。この村の古色蒼然とした感じをそのまま維持できるように、私たちがもう少し気を使う必要があると思います。


+ 住所 : 慶尚南道咸陽ゲピョンギル38

+ 電話 : 055-960-5756

+ 入場料、駐車料 : 無料


Map

Address: 경남 함양군 지곡면 개평길 38 / 대한민국 경상남도 함양군 지곡면 개평리 312-3


함양, 개평, 한옥마을, ケピョン, 韓屋村, Gaepyeong, Hanok, Village
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