1. チゲに入る材料
- 主食材: 肉、海産物、野菜、豆腐などいろいろ
- 副食材: コチュジャン、みそ、醤油などの伝統調味料で味つけ
2. 味の評価
- 辛さ: ★★★☆☆
- 塩味: ★★★☆☆
- 甘さ: ☆☆☆☆☆
- 酸味: ☆☆☆☆☆
3. チゲ(찌개)についての簡単な紹介
韓国人の食卓には基本的に汁料理が欠かせません。
汁料理の種類ではクッ(汁物:국)とチゲ(찌개)があります。クッは汁が多くあっさりとしたもので、チゲはクッより汁は少なめで調味料の味が強いです。
西洋のスープやシチュー、東洋のトムヤンクンと似た汁料理で、特別というよりは普段の食事で食べる素朴な料理です。
チゲは高麗時代からありました。韓国の伝統調味料の「みそ」を溶いて入れたテンジャンチゲ(된장찌개)からその由来が始まり、朝鮮時代に日本から唐辛子が輸入されるようになり辛いチゲも作り始めました。
特別なものもなく素朴な料理ですが、毎回の食事に食べるので、朝鮮時代の王の食卓にも「ジョチ(조치)」という名前で上がっていました。
チゲは肉、海産物、野菜、豆腐などいろいろな材料を入れます。そして主にコチュジャン、みそ、醤油などの伝統調味料で味を調えます。
スープよりはシチューに近く、具が多く汁は少なめで、味つけは濃いほうです。
韓国人が食事をする時、チゲを好んで食べる理由は、ご飯にあります。ご飯のパサパサ感を柔らげるためにはチゲのような汁料理が必要です。
チゲには3つの独特な特徴があります。
一つはチゲを盛る器の「トゥッペギ」にあります。トゥッペギは厚いセラミックで作られ保温性が非常にすぐれています。
料理を終えて火を消してもしばらくは汁が沸騰したままで、食事をする間中温かい温度を維持します。
初めて見る人は、これは危ないと思うかもしれません。しかし大部分の韓国人の家庭にはトゥッペギがあるほどに、チゲはトゥッペギで食べてこそおいしいという認識があります。
二番目の特徴は韓国では熱いチゲのスープをいただいで「シウォナダ(さっぱりした、시원하다)」と表現します。ワー! おもしろいでしょう? 熱いものを食べてさっぱりだなんて。
このシウォナダという感覚にはさまざまな意味がありますが、一つだけ説明すると、とても寒い日に温かいチゲのスープを飲むと、からだの中が暖かくなって、とけるような感じがしますが、これを韓国ではシウォナダと言います。
三番目の特徴は、もともとチゲは一つの鍋を丸ごと食卓に置いて、みんなでつついて食べるものです。西洋では「DOUBLE DIP」といい、誤ったマナーに相当します。
韓国では家族同士、または親しい人同士は一つの鍋をみんなが各自のスプーンでつついて一緒に食べることを「情」 を交わすことだと思っています。
最近は衛生上の問題からこのような文化がずいぶん改善されたので心配するほどではありません。
でももし韓国人の家庭に招待されて、こうして一つのチゲをいっしょに食べるようになったら、単純に「汚い」と誤解しないでください。あなたを家族のように迎え「情」を交わしたいという親しさの表現ですから。
チゲの特徴を聞いて、どんな料理か気になりませんか?
チゲは種類ごとに違う味を持っているので、その味と特徴は「チゲの種類」で詳しく扱います。
4. チゲの種類
チゲは入れる材料、味をつける調味料によって数百種類があります。
その中でも韓国人が一番好んで食べ、観光客にも食べやすいのがキムチチゲ、テンジャン(味噌:된장)チゲ 、スントゥブ(純豆腐:순두부)チゲ、ブデ(部隊:부대)チゲ、チョングッチャン(納豆味噌:청국장)チゲです。
キムチチゲは韓国の代表的な伝統料理の「キムチ」に豚肉、豆腐を入れて煮ます。しっかり漬かったキムチを使うので辛さと酸味があるのが特徴です。
テンジャンチゲは「テンジャン」にいろいろな野菜や豆腐を入れたもので、日本の「味噌汁」に似た味です。豆を長時間発酵させた伝統調味料の「テンジャン」はコクに加えてしょっぱさがあり、チーズのようにひどいにおいもします。
最後にスントゥブチゲですが、一般の豆腐より食感がとても柔らかい「スントゥブ」を入れます。ここに貝、各種野菜、卵を入れて唐辛子の粉で味つけをします。
唐辛子の粉は少なめに入れるのでそれほど辛くなく、柔らかいスントゥブの食感もいいので、チゲを初めて食べる観光客に勧めたいチゲです。
Canon EOS 550D | f/4.0 | iso 1600 | 2011:09:30 21:00:46 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 22mm
5. チゲをよりおいしく楽しむ方法
チゲは熱くしたトゥッペギに入った味の濃い料理です。ですからチゲをあわてて口に入れたら熱くて濃い味にビックリするかもしれません。
できたてのチゲは具をすくってご飯の上にのせて混ぜて食べてください。そうしたら味もちょうど良く、温度も少し下がっているはずです。
このようにチゲの味見をしたら、その次はスープを一さじすくって食べてみてください。辛くて温かい汁が口を通じてのどや胃にまで入っていくと、いつの間にかひたいにはうっすら汗が。
その感じを韓国では身体の中がとけると表現して、「シウォナダ」と言います。
もしチゲを食べて「あ~シウォナダ」と自分でも意識せずにその言葉が口から出る境地に至ったなら、まわりの人から、あなたはもう「韓国人」だと言われ、拍手で称賛を浴びることでしょう。