Holiday Journal

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驪州(ヨジュ)、利川(イチョン)、広州(クァンジュ) #6 - 驪州・神勒寺(シンルクサ) - (Korea Tour)
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Last Modified : 2017/02/17

Travel regions : South Korea
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韓国で唯一、川辺に位置した千年古寺、驪州(ヨジュ:여주)「神勒寺(シンルクサ:신륵사)」


驪州・南漢江の川辺には千年を越えた古い寺が1つありますが、それがまさに神勒寺です。この古寺は朝鮮の太祖王健(テジョワンゴン:태조 왕건)が首都を漢陽(ハニャン:한양)に移すのに一助となった無学大使(ムハクデサ:무학대사)の師匠である懶翁禅師(ナオンソンサ:나옹선사)が入籍して有名になった寺です。また、朝鮮王室では世宗大王(セジョンデワン:세종대왕)が眠っている「英陵」が近くにあり、願堂とみなすほど一時期栄えた寺院でした。そしてこの寺院の創建時期は新羅時代の元暁大師(ウォンヒョデサ:원효대사)が創建したと伝えられていますが、明確な根拠はありません。



Canon EOS 550D | f/9.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:04:50 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


川岸の平地に建てられた寺院なので、一柱門(イルチュムン:일주문)の後ろに見える風景があたかも公園のような感じがしますね。多くの寺院は山の中にあり、門の後ろに見える風景は削り取られた登り坂の道となっています。参考までに「一柱門」は、字のとおり解説すると柱が一つの門という意味ですが、神聖な場所に入る前に「一心」で真理に向かいなさいという意味を含んでいます。


ところで私が今までお見せした多くの寺院の一柱門の表札板を見ると、常に寺の名前の前に山の名前まで記されているのに気づかれましたか?神勒寺の前には「鳳尾山(ボンミサン:봉미산)」と記されていますね。このように山の名前を前に記すのは、住所を明確にするという意味があります。例えば普賢寺(ボヒョンサ:보현사)や観音寺(カヌムサ:관음사)といった寺の名前は色々な地方で使われている寺院名ですが、寺の名前の前に位置を伝える山の名前を入れて区別しようとする意図があります。




Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:05:37 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


いつ雨が降ったのかというように、空には熱い陽射しが照りつけています。もうかなり気候が暑くなり、昼間には半袖に帽子をかぶらなければなりません。久々にのどかな天気なので、花の咲く道がこの上なく嬉しいです。ランララン~ステップを踏みながら歩いて行ってみます。



Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:07:06 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


前に四天王門(サチョンワンムン:사천왕문)と見られる所を通じて歩いて行ってみます。ところで寺院を見物するのに平地しかないので大変ではないけれど、何となく物足りないような不思議な感じがします。青葉が芽生えた木々が嬉しくもあり、今後天気が暑くなることを考えれば恐ろしくもありますね。



Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:08:16 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


門の形を見た感じでは四天王門のようですが、表札板がなくて確実ではありません。おそらく彫刻像の代わりに扉に四天王の絵が描いてあるのを見ると、四天王門で合っているようです。悪人がこの門を過ぎ去ると絵がパッと飛び出して来て、首をはねるかもしれません。気をつけてください! ^^*



Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:09:44 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 33mm


一度雨が過ぎ去った後だからか、天気がまたとなくのどかです。前方に見える川は南漢江ですが、神勒寺は全国で唯一川岸に建てられた寺院です。私も全国の寺という寺は数多く訪れてみましたが、川岸にある寺はここが初めてでした。そして驪州を貫いて神勒寺の前に流れる南漢江を昔から「驪江(ヨガン:여강)」と呼んでいたのですが、これは風水地理的に明堂水という意味です。すなわち、寺が明堂の位置に建てられたという意味にもなります。



Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:10:45 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


一柱門を過ぎて3-4分ほど歩いて来ると、寺院の入口にたどり着きます。入口の前には洗心亭(セシムジョン:세심정)という井戸があります。心を清める所であり、私もここで手を洗って入ってみることにします。



Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:11:27 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


千年古寺らしく寺院の周辺には樹齢が数百年になる木々があちこちで育っているのですが、中央に見えるイチョウは樹齢が600年にもなった木です。高さが22メートルで、秋にこのイチョウに黄色い葉がいっぱいつくようになると、これ以上の壮観がないほどです。イチョウは雌木が実を結びますが、あの木は雄木なので実がつきません。そのため臭いはしません。



Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:12:11 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


中に入ってみます。他の寺院は山の中にあり、体の具合の悪い人たちは接近するのが難しいという短所がありますが、ここはすべて平地なのに加え、階段もまたその横にウッドデッキの道が作ってあるので、車椅子も簡単に接近が可能となっていました。規模は小さな寺ですが、配慮がなされています。




Canon EOS 550D | f/9.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:20:44 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


神勒寺は新羅時代に創建されたと伝えられていますが、その跡は残っていません。正殿である極楽宝殿(グンラクボジョン:극락보전)もまた、壬辰倭乱の時に全部消失したため、資料がみな消えてしまいました。今のこの建物は正祖大王(ジョンジョデワン:정조대왕)21年に、3年かけて再び作られた建物です。とにかく、5月の釈迦生誕日が差し迫ると、色とりどりの提灯が極楽宝殿の前にぶらぶらと掛けられます。それぞれの願いが込められており、どうか皆願い事が成就しますように~



Canon EOS 550D | f/9.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:21:13 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm

提灯のために塔の上部分が隠れてしまいましたね。金堂の前にこぢんまりと置かれた3メートル程度のこの石塔は、宝物第225号に指定された多層石塔(ダチュンソクタプ:다층석탑)です。目につく点は白い大理石材だという点で、塔の周辺には普通の塔ではなかなか見られない花模様、龍の模様、波の模様などが彫られていて繊細で華やかな感じを与えます。



Canon EOS 550D | f/9.0 | iso 125 | 2015:04:30 11:21:48 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


私は宗教を持っていませんが、なす事全てが順調に進むようにとこっそり祈ってみます。ひょっとして、願いを突然聞き入れられるかも…



Canon EOS 550D | f/9.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:26:31 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


極楽宝殿の左側には宝物第180号である祖師堂(ジョサダン:조사당)があるのですが、現在補修工事中のため観覧できません。残念ではありますが、その横にのびている階段を上れば何か違うものが出てきそうです。 登ってみましょう。



Canon EOS 550D | f/9.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:28:00 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


祖師堂の後方にある北側の丘には文頭でお伝えした無学大使(ムハクデサ:무학대사)の師匠である懶翁禅師(ナオンソンサ:나옹선사)の舎利を奉安した石鐘(ソクジョン:석종=宝物第228号)があります。静かな松の森に安置された石鐘は、前方に石燈(ソクドゥン:석등=宝物第231号)を、後方には石鐘碑(ソクジョンビ:석종비=宝物第229号)が位置していますが、別名「宝物3種セット」になります。懶翁(ナオン:나옹)は高麗の恭愍王(コンミンワン:공민왕)の王師だったのですが、 禑王(ウワン:우왕)2年に京畿道楊州の桧巌寺(フェアムサ:회암사)から慶南(キョンナム:경남)密陽(ミリャン:밀양)の霊源寺(ヨンウォンサ:영원사)に行く途中、神勒寺(シンルクサ)で亡くなったため、こちらに安置されました。石鐘碑にこのような内容がぎっしりと記されているので、この墓に対する由来が分かります。



Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:13:16 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


再び降りて来て、川の横にのびた道のほうに行ってみます。森の道の終わりに威厳のある石塔が一つ立っています。



Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:14:09 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


この塔は高麗時代作られた多層塼塔(ダチュンジョンタプ:다층전탑)で、宝物第226号に指定されています。現在、韓国に唯一残っている高麗時代の塼塔(ジョンタプ:전탑)で、文字どおりレンガ[塼]で作られた塔をいいます。単純な形ですが、天を突き刺すような勢いがありますね。



塼塔(ジョンタプ)の向かい側には碑石を奉っている大蔵閣記碑(デジャンカクギビ:대장각기비)がありますが、これもまた宝物第230号に指定されています。今はなくなってしまいましたが、本来極楽宝殿の左側には大蔵閣(デジャンカク:대장각)という殿閣がもう一つあったのですが、その建物を造成した記録を刻んでいる碑石です。現在は極楽宝殿の右側の丘に位置していますが、おそらく大蔵閣がなくなった後にこちらへ移した可能性があるとみられます。



Canon EOS 550D | f/8.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:16:25 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


南漢江の川辺に少し降りると、川を眺めて岩の上に飛んで行くかのように位置している江月軒(カンウォルホン:강월헌)という殿閣が一つあります。涼しげな南漢江を前に置いているので、風景がとても最高です。冬には川底が凍りつくのですが、そこに雪まで降ると風景がとても美しい場所です。その昔、墨画家たちがこぞってたくさん訪れて行ったというこのあずま屋の名前は、懶翁禅師(ナオンソンサ)の雅名である「江月軒(カンウォルホン)」をそのまま使いました。



Canon EOS 550D | f/9.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:18:03 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


江月軒のすぐそばには高麗末に立てられたと推定される三層石塔(サムチュンソクタプ:삼층석탑)が一つあります。涅槃に入った懶翁禅師(ナオンソンサ)の死体を火葬した場所にその徳を賛えるために立てたという記録が残っています。最後に逝かれる時に、最高の明堂の場所で涅槃に入り、また埋められたのですね。



Canon EOS 550D | f/9.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:18:56 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 17mm


川を眺めているようなあずま屋にとても趣きがありますね。懶翁(ナオン:나옹)は傑出した詩人であり文学家だったのですが、突然彼の仙詩の詩句が思い浮かびます!『青山は私を見て何も言わず生きろといい~~云々』と思い出されるでしょう?



Canon EOS 550D | f/5.0 | iso 100 | 2015:04:30 11:32:44 | Flash did not fire, compulsory flash mode | 50mm


寺の隅々を見物してしばらく汗を拭いていると、一羽のスズメが怖がりもせずに私のそばにチョコンととまります。暖かい春の日に虫をたくさん捕まえて食べたのか、体がふっくらしていて可愛いですね。どんな側面でも韓国で唯一だという肩書きがあればどうしても行ってみたくなるのが人の心というものでしょう。大韓民国で川辺に位置した寺院は、ここ1ヶ所だけというので、驪州旅行では欠かさずに是非立ち寄ってください。平地なので歩くのに骨を折ることもなくてよいです。


Map



+住所:京畿道(キョンギド)驪州市(ヨジュシ)神勒寺ギル(シンルクサギル)73

+電話:031-885-2505

+入場料:大人2,200ウォン、青少年1,700ウォン、子供1,000ウォン




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