Holiday Journal

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全羅北道 完州 #10 - 参禮文化芸術村 サムサムイェイェミミ - (Korea Tour)
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最後修改 : 2017/02/18

旅行地区 : South Korea
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痛みは芸術で癒すもの。「参禮(サムネ:삼례)文化芸術村サムサムイェイェミミ」


全北(ジョンブク:전북)完州郡(ワンジュグン:완주군)参禮邑(サムネウプ:삼례읍)は、肥沃な土地と穏やかな気候の萬頃(マンギョン:만경)平野と呼ばれる穀倉地帯です。日本統治時代には群山(グンサン:군산)、益山(イクサン:익산)、金堤(キムジェ:김제)と並ぶ穀物収奪の中心地でした。完州地域の穀物収奪の中心には参禮穀物倉庫がありましたが、ここは収奪の前衛隊の役割をしていました。1920年に建てられた参禮穀物倉庫はその痛みをぬぐうため「参禮芸術文化村」という芸術スペースに様変わりしました。古い穀物倉庫の建物にはビジュアルメディアアート美術館、文化カフェ、本工房ブックアートセンター、デザインミュージアム、木工所、本の博物館などのカルチャースペースがあります。



サムサムイェイェミミは参禮文化村の名前です。ここは2010年まで穀物倉庫として使われていましたが、保存技術の発達により今は機能を失った所となりました。ここには1920年代に建てられた倉庫5棟と1970年代に建てられた倉庫2棟の計7棟の建物があります。




入って真っ先に正面に見える建物はVMアート美術館です。VMはVisual Mediaの略です。ここでは過去と現在が共存する空間の中で、持続的に変化するメディアアートの企画展示を運営しています。



中にはとても新鮮な作品がたくさん展示されていました。この作品はさまざまな物と動く光で作られていました。ずっと光があちこち動くので、とても美しくて新鮮な作品でした。参禮文化村はスペースが広いので全部見せられないのが残念ですね。




そして昔の倉庫の建物をしっかり確認できる所はVMアート美術館の裏の文化カフェ「オス」です。ドリンク類だけの既存のカフェのコンセプトから脱して、コーヒーのローストから抽出過程を学習し体験できるプログラムがあるんですよ。中の展示美術作品や倉庫すみずみのスペース活用もとても印象的な所でした。




別の倉庫に行ってみると、ここは「本工房ブックアートセンター」ですね。ここでは本を作る施設も展示されていて、本を読んで自分だけの本を作れる本の体験センターです。子どもが作ったものを見るとポップアップブック、スクラップブック、アルバム、Tシャツ、革製ダイアリーなど様々な体験ができるようです。そして本がどうやって作られるかも、ここで詳しく学べて個人的にもためになった所でした。




本に活字がどのように印刷されるのか、そして本をつなげる時、糸の部分がどうなっているのかずっと気になっていたんですが、機械で綴じて作るんですよ。こういう過程を直接自分だけの本で作って見られるなんて本当にいい経験です。




古くなった倉庫の壁のツタに沿って、今度は本の博物館に入ってみましょう。ここにはさまざまな意味ある本と本のデザインの歴史、そして思い出のこもった昔の教科書など、結構多くの本が展示されていました。




高い倉庫の天上がとても印象的ですね。広い空間に本を展示してあったんですが、あちこちに出してみたい本がありました。特に、尹東柱(ユン・ドンジュ:윤동주)詩人の「空と風と星と詩」の詩集は本当に取り出し1ページづつ実物を手に取ってみたかったです。本はすべて原本です。



わ~、これはまた! 絵本の父と呼ばれている「ランドルフ・コールデコット」の絵本もあります。私もコールデコットの絵本を何回か読んだ事がありますが、一枚の絵に文章が1~4行書かれています。文章のストーリーを絵で綴ってあったり、文章なしに絵だけで数ページという構成は彼が初めて試みたものです。出してみられませんが、ここで彼の本に出会えるなんて嬉しいですね。



本の博物館の入り口のコーナーには古書市場があります。正直な書店として運営していましたが、古書もあるし、教育図書、小説、詩集などいろいろなジャンルの本がある無人書店です。本の値段は裏についていますがお望みの本があればお金箱にお金を入れて持って行けばいいんです。



建物が多いので見るところも多くていいですね。カタツムリがいるこの倉庫では「キム・サンリン木工所」が運営されています。ソウルの人には親しみのある名前かも知れませんが、仁寺洞(インサドン:인사동)で韓国の代表的な伝統家具を再現している作家です。今は参禮文化村に敷地を移して作業場に使っているんですね。展示してある作品もとても素敵な作品ばかりです。




キム・サンリン先生は私が行った日も何かを作っていましたが、訪問者を明るい顔で迎えてくださり愉快な冗談も得意で、過ごしやすい場所でした。仁寺洞で1990年から使っていた木工道具を壁一面に展示してあるのが印象的でした。




そして高級(?)情報を一つ。ここでは毎週土曜日午後2時から無料体験ができます。木製まな板、鉛筆立て、松の板の額縁、アクセサリーなどを作る体験です。材料費も参加費もありません。地球人なら誰でも参加できます。ただ、道具を使うので小学生は高学年からです。




今度はカエルがいる倉庫に入って見ます。ここはデザイン博物館です。国内外の企業の製品生産活動で発生したデザインのうち優秀なものを選んで受賞、展示しています。現在の姿から未来のデザインを推測できる面白い所です。




大部分の製品は、現在ちまたで販売されている製品の中から優秀なデザインに選ばれた製品だけが選別されて展示してありますが、きれいな自転車も気に入ったし、再生紙のボックスで作ったプリンターもとても印象的でした。


完州旅行の際には参禮文化芸術村の「サムサムイェイェミミ」にはぜひ寄っていってください。日本植民地時代に建てられた古い倉庫で出会う多くの芸術作品と展示物は、他では見られないものがたくさんあります。無料体験もいろいろあるし、見るものはもっとたくさんあります。



Map

+ 住所 : 全北完州郡参禮邑参禮驛路(ジョンブクワンジュグンサムネウプサムネヨンロ:전북 완주군 삼례읍 삼례역로) 81-13

+ 電話 : 070-8915-8121

+ 入場料 : 大人2,000ウォン、中高生1,000ウォン、子ども500ウォン

+ 観覧時間 : 午前10時 ~ 午後6時(毎週月曜日休館)


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