Holiday Journal

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4371 | 20064611

光州(クァンジュ) #3 - 5.18 自由公園(ジャユコンウォン) - (Korea Tour)
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Last Modified : 2017/02/17

Travel regions : South Korea
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今回の旅先を光州に決めた最大の理由のひとつであるここは「光州広域市(クァンジュクァンヨクシ:광주광역시)」と言えば思い出す事件。それが民主化のための民衆闘争「5.18光州民主化運動」の痕跡が残る場所です。




実は光州の日常で活気あふれる忠壮路(チュンジャンノ:충장로)を含めた光州全域が民衆抗争の痕跡を残していますが、その中で憲兵隊と営倉などのあるここは、抑圧の代表的な場所と言えます。その他にも記念文化センターや墓地など、数多くの意味ある場所があります。他の場所は距離が少し離れているので次の機会に行くことにして、ひとまずこの自由公園を見てまわります。




表通りのアパート団地と何の区分もなく広がった公園の入口には、5.18民衆抗争で主導的役割をした「野火夜学(トゥルプルヤハク: 들불야학)」の義士7人を称える象徴物が北斗七星の形に刻まれています。




象徴物の向こうには建物があったのか、ただの広い野原だけが広がっていて、遠く正面には「自由館」と書かれたレンガ色の建物が建っていました。この自由館には民衆抗争の過程と当時の軍部の残忍で悪らつな様子がうかがえる資料が展示されています。




黒で仕切られた厚いガラスドアを開けて入ると、玄関の正面に当時の雰囲気がぐっと迫ってくる大きな写真が一枚飾られていて胸にじんと来ます。




インフォメーションには今までここを訪れた多くの訪問者の芳名録があり、私たちも名前を書いてから展示室を見に行きました。




この展示室は比較的小さな空間。それにこのあと5.18記念文化センターへ行く予定だし、そこでもう少し詳しい資料が見られるはずなので軽い気持ちで回りました。




抗争当時を表現した版画作品。むしろこういった単色の作品が複雑な色の作品より少し強く迫ってくるものがある気がします。




観光客が私たちしかいなくて閑散とした室内の壁面には、当時の抗争の発端と特殊部隊や戦車、軍隊の投入など抑圧の過程が説明されています。




光州市民が戒厳令撤廃と当時の全斗換(ジョン・ドゥファン:전두환)大統領の退陣、金大中(キム・デジュン: 김대중)の釈放などを要求して起こした民主化運動に対して、当時の軍部政権は厳しい戒厳と「布告令10号」などで抑圧し始め、




徐々に鎮圧手段が過激になり多くの犠牲が生じました。そして更に市民にスパイや不純分子とのぬれぎぬを着せたりしました。




壁には当時犠牲になった市民と良民、そして子供の虐殺に関する詳細な記録があり、ぞっとするほど恐ろしかったです。




こうして順番に当時の状況を一つ一つ見て回る小学生。残念なことに私たち二人を除いて訪問者が誰もいませんでした。




当時使われたM1小銃と M16小銃、それにその弾丸もガラスケースの中に展示されています。




軍部が送った空輸部隊が着ていた特殊部隊の服装と棍棒。国を守るべき軍人が当時こういった鎮圧を目的に訓練されたそうです。




まるで日帝時代の受刑服のように見える服を連行された市民や大学生に着せて、あらゆる拷問がなされたという事実が信じられません。




もちろん当時光州だけでなくあちこちで似たような運動が起こりましたが、光州のように一つの地域全体が甚大な被害を被った所はなかったので、光州・全南地域の知識人の記録がたくさんあります。




そして言論統制と地域封鎖によって、同じ国内なのに他の地域ではこの事件のことすら報じられなかったそうです。




むしろ海外でのニュースにたよって光州の状況が分かったそうなので、本当に私たちの暗い歴史だったと言えます。




自由館を出て、実際に使われていた憲兵隊の軍営と営倉、そして裁判所を見て回ることにしました。




入口に入ると青い芝の上に当時鉄砲を持った軍人が市民を連行する場面を表現したマネキンが立っています。




そして大きなトラックの上には軍人がトゲトゲしい表情で見下ろし、私服を着た市民はひざまずいたまま頭を垂れています。




中でまず出会った建物は憲兵隊の本部事務室。調査室の一種で、ここが脅迫と暴行そして拷問が行われた場所だそうです。




中には単純に文章で説明するのではなく、作動センサーがあって、人が近付くとスピーカーを通して当時の状況と建物の説明が流れるので良かったです。




いわゆるウォンサンポッギョク(원산폭격)。苛酷な行為をさせながら棍棒を振り回す軍人の姿も庭に展示されています。




次に行った建物は憲兵隊の食堂。食堂にはたいしたものはないだろうと思いましたが、ここも例外ではなかったようです。




何故なら、たやすく水を使うことができ、あまりにもたくさんの収監者がいたので、ここも臨時取調室として使われたそうです。




ここのマネキンの中で一番悪らつに見えるのが拷問をしているマネキン。




ときどきここでおにぎりを作るおにぎり作り体験も行っているそうですが今日はやっていないようです。




いよいよここのメイン施設、人を監禁した営倉の番です。まわりを囲む垣根には鉄条網がびっしり張りめぐらされています。




そして高い所から入口を見張っている軍人の様子もうかがえます。当時の人はあの姿を見ながら恐ろしさに震えたことでしょう。




小さいながらも営倉の中には一応、風呂場もありますが、人数に比べてとんでもなく狭く、それさえ苦痛ではないかと思うほどです。




以前行った西大門刑務所の縮小版のように見える営倉は、半円形式で中央から管理する軍人がひと目で監視できる構造になっています。




扇型の監獄には鉄格子越しに顔じゅう傷だらけのマネキンが正座で座っていて、雰囲気のせいか外よりちょっと冷ややかな感じがしました。




格子にぶら下げられて棍棒を振り回されているところから察して体罰中のようです。後ろでは、ひざまずいた収監者と各種軍隊用品も展示されています。




今度は軍人が過ごした憲兵隊の中隊の内務班。他の所に比べて別段見る所はありませんがここはまだましで、普通の空間のように感じられました。




壁にはM16小銃もある一般的な軍隊の内務班のようになっていましたが、ここも尋問室や拷問室に使われたそうです。そして他の場所と違ってここではこの建物に対する案内放送が出ずに、案内文を読まなければなりませんでした。




そしてうっかり忘れるところでしたが、管理人が教えてくれた軍事法廷。ドラマで見たことのある簡易法廷がそのままよく表現されていました。




もちろん戒厳下ではあったものの、一般人を軍事法廷で有無を言わせず、それも非合理的に裁判したのですから、人権を含めたすべてが崩壊した暗黒期と言えるでしょう。




裁判長の前列にはマネキンなのに、緊張しつくした被告人の様子から、ある程度その当時の緊張感を感じることができました。




そして軍事法廷の前に現われたサンショウウオ。ここで見守ってきたことが、当時のごく一部分でしかなかっただろうが、思ったよりたくさんの内容を見ることができました。でも終始観光客が3~4人しかいなかったという事実が少し切なかった 5.18

自由公園でした。少なくともここが今よりは多くの人に関心を持たれる所であったらという小さな願いを抱いて次の旅先に足を向けました。



地図 : click

住所 : 光州西区治平洞(クァンジュソグチピョンドン:광주 서구 치평동)1161-6

電話番号 : 062-376-5183

運営時間 : 09:00~18:00

入場料 : 無料


Map





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