1. キムチに入る材料
- 主食材: 白菜または大根
- 副食材: 唐辛子の粉、砂糖、ニンニク、ショウガ、塩辛の基本調味料とネギ、セリなどの野菜
2. 味の評価
- 辛さ: ★★★★☆
- 塩味: ★★★☆☆
- 甘さ: ★☆☆☆☆
- 酸味: ★★☆☆☆
3. キムチ(김치)についての簡単な紹介
キムチは韓国人の食卓に365日、食事の度に上がる代表的な韓国食です。ロサンゼルスタイムズ紙でアジア人のポヤク(漢方のサプリメント、보약)と絶賛されるほど世界的に一番よく知られた韓国食です。
キムチは3千年前、キュウリを塩に漬けて食べ始めたところから始まりました。その後さまざまな野菜を塩水に漬けてから食し「ディムチェ」と呼ばれるようになり、歳月が経って発音しやすい「キムチ」になりました。
キムチの第一印象は唐辛子の粉がたっぷり入った赤い色です。3千年の歴史を持つキムチが、現在のように辛い唐辛子の粉を使い始めたのは400年前の17世紀からです。
キムチは白菜、大根、キュウリ、ネギ、ニラなどいろいろな野菜で作れます。その中で一番好まれているのは「白菜キムチ(ペチュキムチ:배추김치)」です。
塩に漬けた「白菜」に唐辛子の粉、砂糖、ニンニク、ショウガを入れて塩辛で味を調えます。唐辛子の辛さと生ニンニクのぴりぴりした味が刺激的だと言えます。
この刺激的なキムチには韓国人の口に合ったうま味があります。イタリアのアンチョビソース、ベトナムのヌクマム(Nuoc Mam)のような、魚を塩で発酵させた「塩辛」というソースを使います。
塩辛は魚を長時間発酵させたもので、ひどいにおいがしますが、一方では長い時間が作り上げた深くて豊かなうま味を持っています。
このように作られたキムチはすぐ食べることもありますが、一番おいしいキムチは漬けてから 4週間冷蔵保存したものです。韓国では「イグンキムチ(よく漬かったキムチの意、익은 김치)」と表現します。
昔、農閑期の冬にはこれといった食材料がありませんでした。冬の始めに白菜、大根などを大量に収穫して、腐らないように塩に漬けて、辛く味付けし、一定の温度を維持できる地中に埋め、春まで食べた保存食品がキムチです。
こうして保存する過程でキムチが発酵し、乳酸菌が発生し、味に酸味が出て炭酸水のようなすっきりした味を持つようになります。また乳酸菌がキムチを非常に健康によい食品につくりあげてくれます。
今は冷蔵庫があるので、昔のように冬にキムチを一度に漬けておく必要がありません。しかし韓国の家庭では、今も冬が始まる頃、キムチを漬ける風習が続いています。それほどキムチを毎日食べ、様々な料理に使って食べるため、たくさんの量が必要だからです。
11月~12月に韓国を訪問するようでしたら、あちこちで外国人とキムチを一緒に漬ける行事が開かれていますので体験も可能です。
外国では写真を撮る時「チーズ」と言いますが、韓国では「キムチ~」と言うくらい、キムチは韓国人の日常生活と密着しています。
韓国の韓国式食堂ではほとんどキムチが出てきます。韓国のスパイシーな味をしっかり味わえるのが「キムチ」ですから、ぜひ味わってみてください。
4. キムチの多様な種類
数千年前から食されて来たキムチは、いろいろな野菜を使って、地域ごとに、あるいは漬ける人によって数百種類があります。
韓国人が日常で一番よく食べるものとして要約するなら、材料によって白菜キムチ、大根キムチ(カクテキ)(무김치(깍두기))、きゅうりのキムチ(オイキムチ: 오이김치)、細ネギのキムチ(パキムチ:파김치)などがあります。その他に唐辛子の粉を入れずに淡泊な味を楽しむ白キムチ(ペッキムチ:백김치)、汁をすくって食べるムルキムチ(물김치)があります。
一番代表的なキムチは白菜キムチと大根キムチです。二つのキムチを作る方法と味付けは似ていますが、大根キムチはシャキシャキした食感があることが特徴です。
5. キムチをよりおいしく楽しむ方法
辛い唐辛子の粉、ぴりっとする生ニンニク、なま臭い塩辛の入ったキムチは初めて食べる人には刺激的な味だと思います。ある観光客は、食前のサラダと勘違いしてキムチだけを一皿全部平らげて胃腸障害をおこしたそうです。
キムチだけで食べるには刺激的なので、さっぱりした料理といっしょに食べることをお勧めします。
白いご飯といっしょに食べるのが一番ですね。そうしてこそキムチ本来の味がどういうものか、しっかり吟味できると思います。
その他にカルグクス(칼국수)、ソルロンタン(설렁탕)など淡泊な汁物料理といっしょに食べると、キムチのうま味を感じられると思います。
最後にサンギョプサル(三枚肉:삼겹살)を焼いて食べる時、肉をキムチに包んで焼酒のお供に楽しめば、一番韓国的な夜の文化を体験できると思います。